鬼部長の素顔
「優子、大丈夫?手伝おうか?」
ファイルばかり見ていたせいか
全く周りを見れてなかった
気がつくと、ほとんどの人が
退社していて、私に声をかけてくれた
麻耶先輩も、仕事が終わってる様子だった
『あっ、すみません。けど、大丈夫です。もう少しで終わりますから』
そうなんだ、
ずっと集中していたから
ファイルもあと1冊。
これならあと1時間くらいで終わる
手伝ってもらうより、一人でやった方が早いんだ
『麻耶先輩、先に上がってください。それに、檀野部長もそろそろ帰ってくるはずですから』
いつも麻耶先輩が
残業続きなのは知っている
だからこそ、早く帰って休んでほしい。