鬼部長の素顔



この沈黙が、私には耐えられなかった


『……部長にご迷惑はかけませんっ。実家の両親もいますしっ…。か、会社は辞めますっ。すみませんでした』




「待てっ、優子」



私は気にせず話を続けた


『べ、別に認知してくれとは言いませんっ!なので、忘れてください。私の事も、妊娠の事も……部長の負担にはなりたくありませんから…』


これは本心だ
部長の負担になりたくない
部長に迷惑がかかるなら
それなら……嫌われた方がましだ



「優子、俺の話を聞けって」


『私の実家は北海道なので、会う事もないと思いますから、安心してー』



私は部長の言葉を無視して話していた
そして、気がついたら
部長は私にキスをしていた
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