鬼部長の素顔
優子?
部長の心配そうな声がする
『ぶ、ぶちょ…。来ないで……』
部長にこんな姿を見られたくない
けど、部長は私の制止に構わず
私の背中をさすってくれた
『た、……だめっ……出で……』
「あ?気にするな。夫して、父親としてやることやるだけだ」
そういってそのまま背中をさする
「忙しいな……吐いて泣いて。」
『……ははっ……。治るまで、もう少し時間がかかるみたい…です』
「……悪いな…」
『幸せなことだから、大丈夫』
あんなに辛かった悪阻
今、全てを部長に打ち明けた私
悪阻も愛おしく思えていた