鬼部長の素顔


心配でずっと見ていたら
部長が私の手を握ってくれ
ニコって笑ってくれた


「来月にご挨拶を兼ねて……はい。二泊お願いしたく……はい」

「……そうです。優子さんとのことは、もちろん考えています。」

「……申し訳ありません。……はい。………………わかっています。……それはありません。一生かけて優子さんを守る覚悟です。……はい、……わかりました」

「……はい、お伝えください。では、失礼いたします……はい、代わります」


部長は私にスマホを返してきた



『も、もしもし?』


「……優子、本当に妊娠してるのか?」


……つ。
驚いて部長を見ると、頷いている


『……うん』


「……わかった。このことは黙っておく。来月、来たら親父達に二人で言え」



『……お兄ちゃん…』


「……あまり無理するな、」



そう言って電話を切った

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