鬼部長の素顔
会社では相変わらず
鬼部長の隼人さん
「柿崎っ!ちょっとこい!」
『は、はいっ』
全く慣れない
呼ばれるだけで、身体がびくつく
これはお腹に悪いんじゃないかと思う
「お前、何度言ったらわかる?何年やってんだよっ!初歩的なミスしてどうすんだっ!どこ間違ってるか言ってみろっ!」
企画書を返され、ミスを確認する
何度も確認したよ?ミスは無かったはず
けど……あっ……。
なんという間違いをしてしまったんだ
『申し訳ありませんでした、すぐ直してきます』
「柿崎……お前、俺になんか恨みでもあるのか?聞いてやるぞ?」
部長の一言でフロアが凍りつく
『な、な、な、ないです!失礼します』
急いで席に戻ると
隣の席の麻耶先輩がどうしたの?と
かなり心配そうに声をかけてくれた
企画書の間違い部分に指をさした
「ちょっ……ぎゃははははっ、優子ったら!あー、お腹痛いっ」
静まり返ったフロアに
麻耶先輩の爆笑が響き渡った