鬼部長の素顔




一度離れた唇……
もう一度触れようとした時


「はやーとっ!具合悪い優ちゃんに盛ってんじゃないわよっ!!」


えっ!!
部長のお母さんとは違う
少しハスキーな女性の声


ちっ……
部長の舌打ちが聞こえた


「うるせーな、いいだろ別に。」

部長がいて、誰なのかが見えないけど
けど、多分……部長のお姉さん


「ちょっと、どけなさいよっ!あんた邪魔!帰れば?」


ひっ!!
部長にそんな事を言えちゃうなんて
どんな人なんだろう…

そう思い、身体を横にずらして
お姉さんを覗き見た


「あ、優ちゃん!あんた、どきなさい」


お姉さんは部長をバシバシ叩いている
す、すごいっ……

お姉さんは部長に似ていた
それでも綺麗の部類
この家族は美形なんでしょうか…


『は、初めまして。柿崎優子です』


買い物に出かけていたとお姉さん
私が挨拶すると、目をキラキラさせて
私を見てくる
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