鬼部長の素顔
「本当に送らなくて大丈夫か?」
部長は何度も聞いてきた
あまりにもしつこいから笑ってしまう
『大丈夫ですよ、私を送る時間があるなら少しでも身体を休めてください』
部長と別れ、私は駅に向かった
あれ?……充?
こんな時間に充に会えるなんて、
残業してて、ラッキーって思った
充に声をかけようと、少しだけ
近づいたら……充は一人じゃなかった
誰だろ?会社の人かな?
充の隣には、充より背が高く
ちょっと体格がいい男性がいた
話しかけて良いのか迷っていたら
二人は駅ではなく、裏通りにつながる細道に入っていった
……今から飲むの?
今からだと、確実に終電に乗れないよね?
ちょっとだけ不審に思い
バレないように後をつけた