鬼部長の素顔
毎日がウキウキだった
だって、今日が終われば
明日から北海道だー。
「柿崎……随分ご機嫌だな」
『あ、部長。お疲れ様です』
……あれ?機嫌悪い?
私、なんかミスしたかな?
いや、最近は書類とか出してないよ?
頭の中で怒らせた原因を探していた
……けどみつからない
部長を見上げると……やはり怒っていた
うっ……。
困っていたら隣の席の麻耶先輩が
私の耳元で囁いてくれた
「さっき……総務の小嶋くんと話してたでしょ?……楽しそうに……しかもお腹触らせたでしょ?」
ん?……あー、確か。
私は目線を部長に合わせながら
……いや、外せないまま
麻耶先輩に話しかける
『保険証とか年金の手続きとかの話をしてたんです。まだ来ないですか?って……小嶋さんの妹さんも妊婦さんみたいで、それで話してたんです……最近、触られることが多いから気にしてませんでした』
お腹に触れられるのが
そんなに悪いことなのかと疑問に思う