鬼部長の素顔


「ご飯食べたらさ、ちょっと付き合って欲しいんだ……っていうか、コレ」


そう言って見せてくれたのが
某有名エステの優待券


『えーっ!ど、どうしたんですか?』


「ふふふっ……頂いたの。優子、こういうの行ったことないでしょ?だから!あとね、これもあるのよ」


そう言って見せてくれたのは
これまた今人気のネイル店


私には無縁なお店で私はドキドキした


早く食べて行きましょうと
麻耶先輩は言ってくれた



マッサージとかも行ったことがない私は
誰かに身体を触られるのが恥ずかしい
たとえ女だとしても……

緊張もあったけど、エステって凄いなって思ってしまった
だって……


『お、お肉がーっ!!』


「優子、煩い……ふふっ」


ちょっとだけだけど、体重も減って
肌もすべすべ……。

ネイルもゴテゴテではなく
優しいピングでシンプルなもの
けど、マネキュアすら塗ったことがない私には自分の爪とは思えなく
さりげなくついてるラインストーンや
チェーンが可愛い


「隼人くん、喜んでくれるわね」


『……そうだといいですけど』


気がつけば、結構いい時間になっていて
私は部長に電話した



「どこにいる」


もしもし、とか無いの?
と、思いながらも

『今まだお店ですが、これから駅に向かいます』

そう言うと、待ってろ


怒ってなさそうな感じでホッとした
私は麻耶先輩と一緒に駅に向かう
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