鬼部長の素顔



「本当に大丈夫?」

『はい、部長がすぐ迎えに来てくれますから平気です』


そう言って、麻耶先輩を見送った
私は駅の前で部長を待つ


少し疲れたかも。
妊娠6ヶ月なのに妊婦だと
あまり気がつかれない


もともと太っていたのもあるけど
あまりお腹が膨らまない体質みたい
けど、あと数ヶ月もたてば
いやでも出てくると言っていた


その時、私の携帯が鳴る
部長から。ついたの一言

辺りを見渡すと、
部長の車が停まっていた


私は車に駆け寄ると
部長は焦った表情で車から出てきた


えっ!


「優子、走るな」


あっ……、
なかなか妊婦だという認識が少ない
いつも部長に怒られる


『ごめん』

そう笑えば、部長も笑ってくれた
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