鬼部長の素顔
やっぱり……
私の知らないところで
部長はしていたんだろうか。
正直、一緒に暮らすようになってから
考えたことはなかった
絶対無いと思っていたから。
けど、暮らす前は?
私の前はともかく、
私と関係を持った後は?
……出張先とか?
考えれば考えるほど、嫌な方向にいく
『はぁー……』
だめだ。考えるのをやめよう……
私は自分の膝上に置いた本を手に取ろうと手探りしたが……、無い
えっ?膝を見るが、本が無い
周りを見渡すと、さっきまであったはずの本を部長が持っている
背に枕を置き、くつろぎながら
本に目を通していた
『……ぶ、部長?あの……』
私が話しかけると
チラッと私の方だけ見て
また本へと視線を戻した
もしかして……さっきのページを
見てたりしますか?
考えてることを知られてしまった
恥ずかしさより
部長の冷ややかな目に冷汗が出た