鬼部長の素顔



あわわっ……


引っ張られた身体は
いつも寝る位置より中央


しかも部長は私の頬に優しく触れる
それがまたドキドキしてしまい
何も言えなくなる



「……知ってたよ、妊娠しても出来ること。けど……優子の身体を一番に考えたら抱きしめるだけで十分だから」


そう言って私のおでこにキスをする部長



十分?抱きしめるだけで?
本当なの?
だって、あれだけ私にしていたのに
…………。

なんか……嫌だな。
私はじーっと部長の顔を見る


気づけっ……気付けっ!


自分で言うのはかなり恥ずかしい
だから、いつも部長に頼ってしまう



けど、私の思いは届かず


「寝ようか」

そう言って、電気を消し
いつものように
私を軽く抱きしめて
寝る体勢に入ってしまった
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