鬼部長の素顔
season13
教会の中にはオルガンが響く
そして、私の隣には父がいる
腕を組んで
「さあ、いこうか」
その声に扉が開かれ、
光と共に照らされている
一歩ずつ歩く
少ない人数だけど見慣れた顔
どうして?と思うけど
涙が……止まらない
一歩ずつ近づいてく先には
グレーのタキシード姿の部長
「優子を…お願いします」
お父さんの言葉に胸がぎゅっとした
「必ず…優子さんを幸せにします」
そう言って頭をさげる部長
私の腕はお父さんから部長へと渡された
『花嫁って、事前準備が必要なんですよ』
ちょっとムッとしながら言ってやった
「エステも行ったし、爪も綺麗にしただろ?不満か?」
また、やられた。
麻耶先輩もグルだったんだ、
『……充分なくらい幸せです』
私達は……愛を誓った