鬼部長の素顔
「隼人……なんで優ちゃんに話さなかった?優ちゃんが他のやつから聞く前に話せと言っただろ?」
麻耶先輩が連絡をしたのは白井さん
麻耶先輩が一人じゃチカラで勝てないからって白井さんを呼んでいた
「お前らには関係ないっ!これは俺と優子の問題だっ!」
「なら何で優子が昨日、うちに泊まりたいって言ったのかわかる?出張なんて今までもあったのよ!?けど、絶対家を空けたりしなかったじゃない、優子がどれだけ不安だったか、わからないのっ!?」
そう、これは私と部長の問題
けどね、麻耶先輩に言われてわかった
二人で話したら
私はまた何も言えないまま
何も聞けないまま、部長を許す
そして、何事もなかったように
部長と一緒に北海道に行くだろう
私は……納戸のドアを開けた
「「優子っ!!」」
麻耶先輩と部長の声が重なる
私を見る部長の目は安心したように見えた