鬼部長の素顔




『私は、隼人さんの奥さんだと……家族だと思ってました。けど……今回はそれ以下の扱いです。少し頭を冷やしてください』


そう言って、私は部長に背を向けた


「優子は預かるから」



麻耶先輩の言葉で
部長はなにを思っただろう……

私は麻耶先輩に肩を抱かれ
ソファへと座らされた


バタン、とドアが閉まる音がした
部長は行ってしまった


本当にこれでよかったんだろうか



「優子、偉かったよ。今は辛いけど、これから何十年も一緒にいるんだから、たまにはいいのよ」


そう言ってくれて
少しだけホッとした
白井さんも、たまにはいいお灸だ
なんて笑っていた



っと、その時
私の携帯が鳴った


もしかして部長?と三人で顔を合わせたが、画面を確認すると違った



『もしもし、優子です』



そう言って、電話を出れば……
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