鬼部長の素顔
「優ちゃん!元気?」
耳元を少し離しそうになる
相変わらず……元気な澪さん
『はい、お腹の子も元気に育ってます』
「今は家?あいついる?」
あー……こんな時に……
そう思っていたら、澪さんは
何かを察したんだろう
「もしかして、あいつ何かしでかした?」
出来れば、もう少し時間を置いてから
部長の話をしてほしかった
けど、澪さんは勘がいい
ここで隠すのも、申し訳ない
『……喧嘩したんです』
私は澪さんに部長が前から転勤を打診されていること、それが本決まりになるのに何も言われてなく、他人から耳にしたこと。そして、私の不安をぶちまけていた
さっきまでいた
麻耶先輩と白井さんは気を使ってくれたみたいで、テーブルに「ちょっと買い物」とメモが置かれていた