鬼部長の素顔



『あ……、麻耶先輩のとこに居ないのが、ばれたみたいです。』



朝一番に麻耶先輩のところへ来て
私が出社してないこと、私の体調のこといろいろ聞かれたらしい



「知らない、うちにいないもん」


麻耶先輩はあしらったという。
それが、ストーカーにしてしまった原因



『わあっ』


またスマホが鳴る……



「これだと、買い物もゆっくり出来ないわね……貸しなさい」


お義母さんが私のスマホに出た
お義母さんが話し前に
部長の声がはっきり漏れてくるのがわかった



「優子っ!今どこっ!?」


心配してくれてるのはありがたい
けど、仕事中だよ?と
呆れながらも可愛いと思う自分もいた



「仕事終わったら、迎えに来なさい」


それだけ言って、お義母さんは切った



えっ?伝わったの!?
心配をよそに、私のスマホには
それから鳴らなかった


私たちは楽しく買い物が出来て満足だった
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