鬼部長の素顔
「優子、ご飯食べて帰らない?」
残業した時に声をかけた
後輩を誘うなんて、まずない。
後輩の愚痴を聞くのも嫌、
気を使われるのも嫌だから……。
けど、プライベートの優子に興味があった
『はぃ、行きますっ!』
私の直感も、意外と当たるんだ
優子は私との食事を楽しんでくれた
仕事の話は全くしない
余計な詮索もしない
自分の事を話したり
たまに私に話題を振ってきたり
意外としっかりしてるんだと思った
仕事では見られない優子
「また、ご飯行きましょう」
『はい、喜んで』
そう笑ってくれる笑顔に
同性なのに、心が奪われてしまった
「私……恋したかも」
そんな言葉を、3年付き合っている彼にポロっと言ってしまった
「……なにそれ?」
苦笑いの彼
開発部の白井直斗
直斗は私の上司である
檀野隼人と同期で親友…いや、戦友。
それがキッカケで、私達は知り合い
直斗の猛アピールもあり付き合った