鬼部長の素顔



「だから、直斗も仲良くしてね」
「私の隣の席の柿崎優子」



そう言うと、直斗はバッと顔を上げた


「……柿崎…優子?」


「ええ、うちは新人は当分取らないだろうから、一番後輩。いつも隼人くんに怒鳴られてるけど、負けん気は強いのよ」


そう笑いながら言うと
安堵の表情を浮かべる直斗



「私が、直斗以外に好きになると思った?」


そう言って直斗の隣に座る


「マジで泣くかと思った」


そう言って私の肩に顔を埋めてくる
まったく……可愛いったらありゃしない


「馬鹿ね、私には直斗しかいないの」



付き合って初めてわかった
彼はとても弱い

会社では全くそんな素振りもしない
明るいし何事にも前向き……いや、
ちょっと軽い感じで
女子社員からモテる方だ


その彼女たちが、こんな直斗を見たら
どう思うだろうか……


「麻耶……ベット行こう」


いつも、こうして甘えてくる
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