鬼部長の素顔



甘えられるのは好きじゃない
男が弱い所を見せてくると
私は引いてしまう


今までがそうだった


けど、直斗は違った
強さと弱さを上手に使い分けている
そして、私も直斗に甘えてる


こんなに理解を示されるのも稀だ



「直斗……抱っこして」


直斗は私を抱きかかえ
ベットへと移動する



何度、こうして直斗に愛されたか…
何度、直斗と呼んだか……
何度、麻耶って呼ばれたか……


一つ一つが愛おしい



じわりとにじむ汗も好き
愛おしそうに呼ぶ声も好き
私が直斗と呼べば
目を細くして笑ってくれる顔も好き


「麻耶、愛してる」


そう言ってキスをしてくれるのが
一番好き



「わた…しは、もっと……すき」



直斗が思っている以上に
私は直斗無しじゃ、生きていけない
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