鬼部長の素顔



車に乗り走り出す
久しぶりに乗る直斗の車


本音を言えば
ドライブして帰りたかった
ベタかもしれないけど
運転している直斗が好き


いや、直斗の嫌なところがない
私、隼人くんのこと言えないな……



……あれ?どこ?


「直斗?私、帰るよ?」


私をいるの忘れた?
私を連れて用事済まそうとしてる?


直斗は知ってる、と言って笑ってる
知ってるんならいいのかな?
シートに身体を預けて
見慣れない景色を楽しんだ



「……や?…、まや?」


んっ……


「麻耶、起きて」


直斗の声にハッとした
自分が寝ていたことに気がついた



「ごめん、」


視線を外に向けると
見慣れない駐車場と、隣接する建物


「行くよ」


そう言って車から降りていく直斗
行くよ?……つまり私もってことだ


慌てて車から降りて
急いで直斗を追いかけた
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