鬼部長の素顔
誰、それ
あまりにも驚いている充の声が
なんとか私に聞こえる
明らかに動揺していて
しっかり発声できていない。
『……私、昨日は早く終わって、いつもより早めに……充のアパートに着いたの』
『インターホン、押そうとしたら……中から声が聞こえたの……』
そう言うと、観念したのか
充は深いため息を漏らした
どういうことか、説明してよ
そう言えば良かったのか……
けど、疑問は一つだけ。
『どうして私と付き合ったの?』