鬼部長の素顔




「……その鬼っつーのは、俺のことか?」



耳元で鬼が囁いた
嫌な汗が垂れるのがわかった



「ハゲる原因を作ってるのは…誰だ?」



ひぃっっっ!
き、聞かれたっ!



助けを求めたくて、麻耶先輩をみれば
クスクス笑っている



『麻耶先輩……一緒に鬼退治しましょ?』


「えー、嫌よっ。優子、がんばれ」



あ、会議の時間だわ


幾つかのファイルを持ち、
席を立つ麻耶先輩



あーっ、行かないで……




「柿崎優子、さっさとやれ。他にも仕事あんだろ?今日も残業だな」



そう言って鬼は自分の席に戻っていった



残業……したくない
けど……したいかも。
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