鬼部長の素顔


先輩だったそうだ
何も知らない私に
ちょっと興味が出て
処女を試してみたいという事


充は、ただ……たまたま私だっただけ。


二人とも、私がいいってわけじゃない




「俺はアリだけど」



その言葉に、驚いて私は部長を見た
部長の顔は、いつか見た優しい顔



……や、やめてよ
冗談でも、言っていい事とダメな事
貴方ならわかるでしょ



やば…、泣きそう



涙を堪えたくて
下を向いてギュッと目を瞑った



「人生生きてりゃ、そういう時もある」


そう言って私の頭を撫ぜてくれた
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