鬼部長の素顔
抑えようにも抑えられない声
自分がこんな声を出すのも驚きだ
「……可愛い」
そう言って何度もキスをする
……と、その時
遠くの方から、声が聞こえてきた
「……かな?優子はお酒まるっきりダメだからね。部屋で寝てるかな?」
その声も部長の耳に入ったらしく
やべっと言って
私の脇に抱え
布団がしまわれていた空っぽの
押入れへと身を隠した
「優子?……あれ?いない。どこいったんだろー」
「いないの?酔い冷めたのかな?お風呂行ったとか?」
早希と……麻耶先輩だ
心配してきてくれたんだ……
って、思っていたら
私を抱えるようにしていた
部長の手が肌けた胸元へ入ってきた
見つかったらまずい…
そう思ったけど
お酒のせいで言葉もうまく言えず
部長の指は、また私で遊び始める
『……んっ……』
ダメ……声が出る
口元を押さえていたら
部長に手を払われ
部長の手が私の口を覆った