鬼部長の素顔
荒い息が部長が覆った手にかかる
いつの間にか居なくなった
麻耶先輩と早希
自分の身体が熱いのか
部長の身体が熱いのかもわからない
部長の腕にしがみつくように耐える
耐える…?
何に耐えるのかもわからない
「可愛い」
何度言われたか……
『……ぶ、…ちょ…』
緩んだ口元の手の隙間から
なんとか漏れた声
狭い空間なのに
器用に私を半回転させ
唇を再び塞いできた部長
やっぱりだ……
この唇……好きだな
自然に……自分の意志で
私は部長の首に腕を回していた
夢でもいい……
可愛いって言ってくれた
私を女としてみてくれた……
それだけで、傷は癒えていった