鬼部長の素顔


「はい、これ。飲んどきなさい」


そう渡された二日酔いに効くドリンク
この頭痛が治ってくれるならと
一気に飲み干した



『げっ、苦い』


あー、身体をなんとか起こし
お風呂にでも入ってこようと思った



「優子、檀野部長にちゃんと謝っておきなよー」


早希が歯を磨きながら私に言う
謝る?……何をだ?
歯を磨き終わった優子が発した言葉に 私は血の気が引いた


「あんたをここに運んでくれたのは檀野部長。しかも、あんた部長にゲロ吐いた」


……マジ?



早希の話だと、早希と麻耶先輩が戻った時に吐いたらしく、それが部長の身体にうずくまりながら吐いていたらしい

早希も麻耶先輩も、驚きながらも
部長と私を引き離し、麻耶先輩は私を寝かせ、汚れた床を掃除し
部長は部屋のシャワーに入れ、早希は替えようの浴衣を取りに行ったりで
かなり大変だったという

私は吐くだけ吐いて、そのまま就寝
部長にぶちまけただけあって
自分は全く汚れてないていう悪運
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