鬼部長の素顔



「忘れてんな」


そう言われて
私の身体はゾクゾクした


多分、忘れてる
絶対何かあった


檀野部長のまっすぐな目
身動きが取れない……


いつも部長の声を聞くだけで
ビクビクしていた私なのに


触れられて……嫌じゃない



「忘れてんなら、思い出させてやる」
「……帰りは俺が送る」


そう言って私から離れていった


……は?
また二人っきり??
いやいや、無理!
また永遠と説教かと思うと
今からグッタリしてしまう


『ぶ、部長っ!部長にはもう迷惑かけられませんっ!だか……ら…』


拒否しようとしたが
部長のなんとも言えないオーラと
鋭い視線に私は何も言えなく



『お…お願い……します』


それしか言えなかった。
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