鬼部長の素顔


やっぱりモヤモヤする…


荷物を持ち、考えながらトボトボ歩いていた


「柿崎!俺を待たせるなんていい度胸してんなっ!さっさと来いっ!」


ロビーで仁王立ちしている檀野部長
や、や、やばい……


そう思って、重たい足を走らせた
みんなが乗ったバスは既にいなく
私は乗ってきた部長の車に乗り込んだ


私がシートベルトをすると車は発進した


何も話さない車内。
なんか話してよ…


これなら説教されてた方がマシ!
膝の上に置いてある手が
心なしか汗ばんでいた


『そんなにビビんなって。別に取って食おうとしてるわけじゃねー』


そう言って部長の手が私に触れた
いわゆる……ポンポン。



あっ……
何これ……


もしかして、私……
前にも部長にされたことある?


いや、私の記憶では絶対ない!
部長が私に触れたことなんて…


そう思っていた
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