Tearstaind Karanchoe
小学校3年生を最後に、クラスは離れ、目と鼻の先だった、優汰の住んでいたアパート。
その時期と同じく、学区内の小学校にほど近い、駅前へと優汰の家族は、家を建てて引っ越してしまった。
すっかりと疎遠になり、私も何人かの気のおけない仲間たちと、楽しい日々を過ごしてた。
中学3年生
優汰と、再会を果たした。
ずっと前から知ってたのだから、一目惚れとは違う気がするけど、でも一目惚れ。
クラス表を受け取り、高鳴る胸を抑えながらドアの前で深呼吸していたその時に。
「折原?」
耳に届いた低い声音
刹那 吹き抜けた春の風
なびく髪を慌てて抑えながら振り向いた先
不思議そうに佇む優汰がいた。
「やっぱり!よお、懐かしいな」
そう言って人懐っこく笑ったその笑顔に、私はきっと恋に落ちた。