Tearstaind Karanchoe

まるで、誘われるかのように。
ゆっくりとそちらに瞳を向けてしまえば。

「…。」

ああ、もう無理だよ、誰に言うにもなくそう思う。

春の光にあてられて、やわらかそうな黒髪が輝く。

透きとおるような大きな瞳

すっと通った鼻筋に

低く切ない耳に残るその声音




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