Tearstaind Karanchoe

おーい、おーーーい!

声が近づいてくる。

「おいってばっ!」

あ、キレた

「ぎょええっ」

ふっと意識が戻った途端、目に入ってきた藍子のドアップ

慌てて背中をのけぞらせれば、あの日と同じ笑顔で笑ってた。

「まぁ?」

あ、やな顔

ニヤニヤと笑う藍子

せっかく美人さんなのに、こういう気色悪い微笑みを時たま浮かべるもんだから、もったいないったらもったいない。

「夕雨、きっとびっくりするで??」

お前、どこ出身?

聞きたかった問いは声にならないまま、ニヤニヤ藍子は颯爽と戻っていった。
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