Tearstaind Karanchoe

4月

それは始まりと終わりと、桜の季節.

脳裏にふっとあらわれた残像を打ち消して、ふるふると首を振っていると

「ねえっ!夕雨!!」


…爽やかな朝と、今歩いてる桜並木と。

そうして私の低血圧に、ボリューミーなものは、少しよろしくない。

すかさず鋭い痛みを訴える頭に、こめかみをおさえながら、ご立腹の彼女を見やる。

“立花 楓”

小学校からの付き合いで一番の親友
名前の通り、可愛い楓は親しくなればなるほど、意外な側面を見せてくる。

例えば、ありえないレベルの短気。

例えば、辛辣に吐き捨てる猛毒舌。

例えば…凄まじい程の親父キャラ。

しかも、年々その度合いはヒートアップしていくのだから、これがまた飽きない。

そして、私
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