わっか
オーダーを済ませると、向かいに座った男にじっと見られた。
「…」
気まずくなってうつむくと、理紗がしゃべりだした。
「なんか付き合わせちゃってすみません。」
「あーいいよ。」
「時間あったから家帰れましたよね、ほんとすみません。」
「可愛い1女連れてけんなら、俺鼻高々だし。」
「えー」
二人はとても楽しそうだ。
自然と話に参加するのではなく、観察側へとまわっていた。
「ちょー璃さっきからうわの空。大丈夫?ちゃんと裕也さんにお礼言いなよー。」
「…へ?」
訳がわからない。
あ。
裕也さんってゆうんだ。
「裕也さん璃に付き合って、集会すっぽかしてきたんだよ。」
「集会?」
「もー」
聞く話によると、彼は3年生らしく、新学期ということで、学校で集会があったらしい。