わっか





私の声を聞こうと円になっていた形が、ぱっと崩れる。



ちゃんと上を見ていたわけじゃないから、正確に誰がその円を崩したかなんて私にはわからない。

だって誰がどの位置にいるのかもわかってないし。




とっさにはわからなかったけど、すぐわかった。





「へへっ大丈夫だよ。」


男の人の声ってこんなに甘かったっけ?




わざわざ隣に入り込んできたその人は、私のおでこらへんをやさしくなでた。




でもね、緊張すると思ったんだけど、緊張しなかった。




「へ?」

すっとんきょうな声をあげて、思わず顔をあげると、そこには可愛らしい…女の子がいた。







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