雨オト
あの後、本部から切り上げの電話がかかり、処変わって桐沢宅。
「ゴホゴホッ──ごめんイツキ、迷惑だよね」
どうやら潤は風邪をこじらせたみたいで、樹のベッドに寝込んでいる
「しゃべんな、寝てろ。何で風邪引いたか言ってみろ。思いあたる節はいくらでも有りそうだな」
「うぅっ、それは・・」
いくつか思い当たるものが有るっぽい。
「俺達、3日間寝てないんだ・・・勿論、なんも食べてなくって・・・水は飲んでるけどね」
潤の話によると、心愛と潤は、両親が死ぬ前から3日間、家では何も口にしていない。しかも寝ていないと言うことで疲労もピークに、、
「そんな事があっておきながら、何ですぐ俺に言わない。つか心は?腹へってねぇの?」
「心はお腹すかない!なんも食べない!」
「これまた大胆発言だねぇココちゃん」
「って言ってもねぇ・・・栄養とらないと」
陽は心愛を心配しているようだが、本人は
「ミナちゃんには分かんないよ!心はうるちゃんのことが心配なの!」
全力否定・・・
「ミナミくん、心は普段からあんま物を口にしないから。俺も一応栄養の心配してるんだけどね」
心愛は1日1食、くらいのペースらしい。
たださすがに、3日たっても何も口にしないとなると、潤も心配のようだ。
「とりあえず、今日はもう遅い。お前らは寝ろ」
「えっ?心ミナちゃんちでお泊り?やった~~っ!」
□■□■
心は陽に風呂に入れと言われ、入ったはいいが髪を乾かさずはしゃいでいる心に陽は手を焼いた。
──ヴィィーー
「ミナちゃんまだ?」
今は、暴れる心を陽がやっとのことで捕まえ、ドライヤーを片手に心の髪をなびかせている状態。。。
「お前の髪が長いからだよ。切らないの?」
「うん。だってこっちの方が寒くないもん」
「そっか・・・・よしっ!おわり」
陽はドライヤーを片付け、布団を二つ敷いた
「寝るか」
「お泊まりだーー!」
この年齢になると、殆どの人は男友達と泊まったりしないが、心は案の定嬉しそうにはしゃいでいる
「オヤスミッ!ミナちゃん!」
「おぉ。よく眠れよ」