今夜もまた真っ赤に染まる
安心した途端、変な感覚に襲われた。
「ぅあ……あ、あぁ………」
何なの、この、喉の奥と口の中が渇いてる感じ。
いや、実際、喉が渇いて起きたんだけど……
それとは違った渇き。
知亜希さんを見た。
顔と首と腕。
露出した部分、それも首あたりが特に赤く見えた。
飲まなきゃ_____!
『っ!』
オイシイ……オイシイヨ……
サイコウ……♪
『良かった。ちゃんとヴァンパイアの本能見せたね、りんご』
!!!
私、今、何してた?
目の前には血が出て垂れ流してる彼の首。
口の中は鉄の味。
知亜希さんの手が頭にのる。
そのまま手が私の後頭部にきて、
『欲しい分だけ今日は飲んでいいよ』
彼はそう優しく言い私の顔を自分の首に近付けた。