今夜もまた真っ赤に染まる
『さてさてー』
「うわぁ!」
あのあと、私は部屋に戻ったものの、そこには彼がいた。
『君さ、強くなりたいんでしょ?』
あ、そっか。
私、強くなりたくてヴァンパイアになったんだっけ。
『ほら』
「?」
彼が手を出している……
『けっ、稽古っ! つけてやるから行くぞ!』
「え、あ、はいっ!」
知亜希さんは半ば強引に私の手を引いたけど、嫌じゃなかった。
むしろ、
落ち着いて、安心した。