今夜もまた真っ赤に染まる
経験
『ちょーっと見ててぇ~♪』
いつの間にか離れたところに立ってる彼。
声がすでにスッゴい楽しそうなんですけど。
『……!』
………
どうしたのでしょう……?
特に何も変わってない気が……
あ、知亜希さんが走ってくる。
そんな彼が息を切らしながら言ったのは、
『ちょっ! タンマ!』
「どうしたの!?」
『これっ、自分が敵と認識した相手にしか効かないんだった!』
はぁ!?
え、じゃぁこの場ではわかんないってことですよね!?
此処、お屋敷の中ですもんね!
『と、ゆーわけで……ちょっとその辺の獲物穫ってくるぅぅぅぅ!』
大きな声でそう言い残した彼。
私もついて行こうとしたけど、多分無理だからおとなしく待機。
っていうか“獲物”って……
そんな事を考えてたらあの陽気な声が聞こえた。
『たっだいまーぁ!』
相変わらず、早いな……!
『じゃぁ、始めるぞ』
あぁ、なんだろう。
私まで声が弾んでしまいそうな雰囲気だ。
全部、知亜希さんのせいだな!