季節外れのサクラの樹に、嘘偽りの花が咲く
「ふーん…そんな事ってあるんだねぇ…。それって別れる直前?」

「うーん…そうだったんじゃないか?だから、それになんの関係があるんだ?」

「いや…その…ちょっと。」

「俺にここまで話させたんだろ。朱里もハッキリ言え。気になってこのままじゃ帰れない。」

確かに壮介の言う通りだ。

私だって本当の事が気になる。

「あのさ…先に言っとく。私の勘違いかも知れないよ。」

「わかった、早く言って。」

「あのね…妊娠がわかってから出産まで、だいたい8ヶ月くらいなの。11月の最初に生まれたという事は、3月には妊娠がわかってるはずなんだよね。」

「ふーん…。それがどうかした?」

「妊娠がわかるのってさ…だいたい妊娠してから2~3週間後なんだって。この間バイト先の主婦の人に聞いた。」

「うん。それで?」

ホントにこんな事言っていいのかと思ったけれど、言いかけた物は仕方ない。

私は水を一気に飲み干して、覚悟を決めた。

「だから…紗耶香は多分、2月後半くらいに妊娠してるはずなんだ。壮介が1月の終わりに紗耶香と別れてその後会ってないなら…壮介の子供を妊娠するのは、不可能だよ…。」

「…えっ?!」


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