季節外れのサクラの樹に、嘘偽りの花が咲く
「俺も気になって、履歴書とか見てみたんだけど…身分証明もあるし本人じゃないって事はないはずなんだよなぁ…。」
「身分証明って…。」
「ん?車の免許証。見る?」
早苗さんはバッグの中のクリアファイルから、順平の履歴書と免許証のコピーを取り出した。
確かに順平のものだ。
椎名 順平。
名前も誕生日も証明写真も間違いなく順平だ。
「…ん?」
私と付き合っていた頃、順平は免許を持っていないから運転はできないと言っていた。
その後免許を取ったのなら、病気が治ってからのはず。
「早苗さん…これ、おかしいです。」
「何が?」
「ここ…交付年月日。私と付き合ってた時、順平は車の免許は持ってなかったはずなんです。でもこの免許証…私と付き合う前に交付されてる。」
「免許持ってないって嘘ついてたのかな?」
「それ、何か得になります?」
おかしい。
何かが腑に落ちない。
「俊希、他に何か知らないかな。ちょっと電話してみようか。」
早苗さんはポケットからスマホを出して俊希くんに電話をかけた。
「あ、俊希か。今ちょっといいか?」
俊希くんに順平の事で何か知っている事はないかと早苗さんは尋ねている。
「身分証明って…。」
「ん?車の免許証。見る?」
早苗さんはバッグの中のクリアファイルから、順平の履歴書と免許証のコピーを取り出した。
確かに順平のものだ。
椎名 順平。
名前も誕生日も証明写真も間違いなく順平だ。
「…ん?」
私と付き合っていた頃、順平は免許を持っていないから運転はできないと言っていた。
その後免許を取ったのなら、病気が治ってからのはず。
「早苗さん…これ、おかしいです。」
「何が?」
「ここ…交付年月日。私と付き合ってた時、順平は車の免許は持ってなかったはずなんです。でもこの免許証…私と付き合う前に交付されてる。」
「免許持ってないって嘘ついてたのかな?」
「それ、何か得になります?」
おかしい。
何かが腑に落ちない。
「俊希、他に何か知らないかな。ちょっと電話してみようか。」
早苗さんはポケットからスマホを出して俊希くんに電話をかけた。
「あ、俊希か。今ちょっといいか?」
俊希くんに順平の事で何か知っている事はないかと早苗さんは尋ねている。