季節外れのサクラの樹に、嘘偽りの花が咲く
壮介の事を考えても、腹が立ちこそすれ、涙が出るほど胸が痛んだりはしない。

自尊心を傷付けられた事に対しての怒りは、もちろんある。

ただ、それだけだ。

壮介との間にあった感情は、愛なんて呼べるものではなかった。

その証拠に壮介は、なんの迷いもなく私を捨てて彼女を選んだ。

一緒に暮らしていても、私の事は便利な家政婦かタダでセックス出来る相手くらいにしか思っていなかったのかも知れない。

壮介が私とのセックスで避妊を欠かさなかったのは、きっと子供が出来たら本当に困るからだったんだろう。

結局、壮介は私と一緒になる気なんか最初からなかったんだと今更気付く。

それなのに壮介はなぜ、私と3年も一緒にいたんだろう?

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