夏 恋 花 火
「いやん、ハレンチ!」
「だーかーら、違うの!昨日あいつん家でバーベキューやってて、邪魔になって取ってそのまま忘れてきちゃっただけ!」
「そうなの?なーんだ。つまんない。てか、仲いいねぇ。家族ぐるみだ?」
「親同士が仲いいってだけだよ」
鈴木俊也。
生まれた時から、ずっとお隣さんの幼なじみ。
なぜか高校も一緒で、クラスも一、二年ずっと同じ。
こういうのをくされ縁って言うんだろう。
何ていうか、犬みたいな奴だ。
髪型も表情も性格も例えれば、犬。
やたら懐っこくて、ちょっかいだしてきて、とにかくガキで、うっとうしいたらありゃしない。
「ねぇ、結局さァ、友香は花火大会誰と行くの?やっぱ俊也くん?」
「ありえないから!私にはちゃんと……」
ちゃんと花火に誘いたい、憧れの人が……。
「おっ、あれ、北川先輩じゃない?」
「えっどこ?」