バナナの実 【近未来 ハード SF】
プロローグ
■ プロローグ ■
フィクション小説のシナリオが、現実の世界で実際に起こりうることなどありえるのだろうか?
もし小説に自分の未来を綴(つづ)って、その描いた未来が現実の世界で本当に叶ったとしたら、どんなに素敵だろう。
私ならどんな小説を書こうか。
自伝サクセスストーリー?
私の未来・・・、
たとえば、50億円稼ぐこと。
小説の主人公である著者が、大金を手にしたというサクセスストーリーをフィクション小説として世に発表する。
もしそれが現実の世界で実現したとしたら、その小説の価値は、いったいどのくらいになるのだろうか?
それは未来予言になるのか・・・?
いや、違う!
自分の望む未来を現実にすることだ。
『そんなもの、実現する訳がないだろう!』人はそう言うに違いない。
そうだよね、実現するわけないよね。
でも、誰か試した人はいるのだろうか・・・?
もし試した人がいたなら、どんな未来を描いて、なぜそれが実現しなかったのだろう?
何度も何度も考えてみるものの、その答えは見つからなかった。