バナナの実 【近未来 ハード SF】
第13章  未来からの言葉





■ 第13章 未来からの言葉 ■






ケータイ小説を公開して数ヵ月が過ぎる。

依然、罵声(ばせい)交じりの議論にならないコメントも目立ったが、中には有意義な議論もされるようになった。



(無題) 投稿者: M

『映画を作るにしても、商業系かアート系の映画を目指すのかでも違ってくるけど、海外に映画を売るなら、ベルリンやヴェネチアの国際映画祭に出品するとか。


何かしら受賞すれば、作品に泊がつく。まして、インディペンデント(東宝などの大手映画会社以外の会社が製作)映画になるのならその効果は大きくなるはず。


海外でも有名になれば、アンナ・K のような人物が現れるのを防げるかも』



(返信 M さんへ) 投稿者: 作者 辻ユウヤ

『そうですね。国際的なコンクールに出品するというのは、いい案かもしれません。

そういう声がもっと挙がって、その方面に詳しい方の意見が聞けるといいんですがねぇ』




(無題) 投稿者: ゆるキャラ

『小説の発想は、あれだな。他の業種でも、しばしば見られるちゅうことだ。

例えば、1000円カットの床屋。

以前の床屋に比べ短時間でカットが済む『便利』を足して、シャンプーなどの『サービス』を引き算した商売や。


あんたは、従来の小説に『フィクションの具現化』を足して、『シナリオの完成度』を引き算したんやな。


引き算しても、まだ魅力的な作品なら、読者に支持されるとちゃうか』
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