バナナの実 【近未来 ハード SF】

辻は、否定的なコメントで埋まることを予想していた。


何か新しい事を起こすということは、いつでも賛否両論が生じるもの。


それは、陰と陽、善と悪というように一見相反するようで、実は表裏一体のものだと考えていたからである。


当初、読者の声の多くは、炎上する勢いで批判的な議論無き書き込みが続いていた。


これまでネットの世界では、議論の秩序や規範がないがしろにされてきた。


そのため、罵言(ばげん)が飛び交い議論の本質からかけ離れる結果に終わることが多々見受けられた。


それでも、辻は、そのような批判や反対意見を一つ一つ改善することこそが、未来実現の条件を揃えることにつながるとはずだと信じていた。


それゆえ、彼らとの議論をむしろ大事にし、多様な意見を尊重した。


時には、議論にならない会話に悩むこともあったが、読者との対話を経て小説シナリオの短所を客観的に捉えていったのだった。


(応援します!) 投稿者: あき

『みなさん酷評(こくひょう)が多いようですが、私は人生において大切なのは、間違えを受け入れる寛容さと失敗を恐れず前進する姿勢だと思います。

小説”バナナの実”を通して、この未来が現実になる可能性を多少なりとも感じました。

また、主人公の過去を描くことで、深い仕上がりになっていると思います。物語に挿入される映画の話や新しい発想の導入には、驚かされスゴイと思いました』



(返信 あきさんへ) 投稿者: 作者 辻ユウヤ

『応援ありがとうございます。一読者の立場から言わせてもらいますと、あの話は、おそらく実話で、・・・だと思います。

僕がスゴイと思うのは、何も書かれていないレビューに、真っ当な感想を書いてくださった女性の方だと思います。
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