思いがけずロマンチック

「はい、来週です。ご都合はいかがですか?」


上昇する気持ちが声にまで現れてしまう。
顔を上げた有田さんは、やっぱり怪訝な顔。小さく息を吐いて、手帳を机上に置いた。


「落ち着け、前回と同じぐらいの時間でいいなら月曜日以外なら空いてる」

「わかりました、では笠間さんに連絡してみます。それと、お聞きしたいことがあります」

「何だ?」


私の聞きたいことを察したのか、有田さんの表情が曇る。そんな顔をされたら言いにくくなってしまうじゃないか。


「さっき、織部さんと美濃さんと、何を話していたんですか?」


有田さんの顔に険しさが増した。せっかくいい雰囲気になりかけていたのを台無しにしてしまったけれど後悔はない。


「君には関係ない、早く戻って笠間さんに連絡しろ」

「関係ないことありません、織部さんと美濃さんは私の大切な先輩です」

「大切だと思うのなら、余計な口を挟むな」


急に有田さんが立ち上がった。



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