先輩、私に恋を教えて下さい。
辺りを警戒しながら、
空き教室に入っていく林先生を見送り、
私も忍び足で、
空き教室のドア前まで移動する。
そしてドアの窓から中を覗くと、
昨日とまったく一緒の光景が広がっていた。
やはり、朝比奈先輩がいて、
窓際で向き合う様にイスに座り、
喋るでもなく、
ただただ外の景色を眺める。
ただそれだけなのに、
親密さが出てしまっている。
なぜか私はブレザーのポケットに、
手を入れて、スマホを取り出し、
二人をカメラに収めた。
まさに面白半分という奴だ。
その写真を見て、
二つの選択肢が頭に浮かんだ。
一つは、
今撮った写真は削除して、
この場を見過ごす。
二つは、
今撮った写真で脅して、
金を巻き上げる。
まさに"天使と悪魔"