先輩、私に恋を教えて下さい。
守る事も戦う事も出来ない俺は、
美琴先生と一緒にいる事しか出来ない。
俺は支配欲も嫉妬心も出してはいけない。
今日も歯がゆく思いながら、
美琴先生を送り出す。
秋風がそよぐ青空を眺めていると、
美術室のドアが開く音がした。
反射的に振り返ると、
黒くて長い髪をした女子生徒が立っていた。
前髪を分けている様だが、
顔を俯かせているせいで髪が顔面に来てしまっていて、
全然表情が窺えない。
見られたか?
何分かに感じた数秒間、
対峙していると相手から顔を出した。
1年で『オバケ』と陰で罵られている奴。