星粒の
願掛け石
パラパラ.....
藍と白、二つの傘を雨粒が叩いて、軽い音を立てる。
絶え間なく降り注ぐ雨は、道端に咲く紫陽花をより一層引き立ったものにしていた。
空気は湿っている。
気温は低く、所々水気を吸って素肌の透けるワイシャツ一枚では、少々肌寒いくらいである。
じめじめとして蒸し暑いよりはマシだろうと、要は思った。
「あーぁ、最近雨ばっかり。靴がちっとも乾かないし、部屋の中もべたべただよ」
白の傘を持ったまま軽く伸びをしたのは、蓮、要の従姉妹であり、幼馴染である。
制服である灰色のスカートが、ところどころ濡れて色を濃くしていた。
「水不足になるよりは良いけどな、」